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株主の皆様へ 2002年 (分割版) | アニュアルレポート | KDDI株式会社 kddi ar2002 j04

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(1)

pg.2 KDDI CORPORATION Annual Report 2002

株主の皆様へ

KDDIでは、通信業界における新たな領域の開拓に積極的に取り組

みながら、既存のオペレーションについても構造改革を進め、競

争力と収益力の高いシステムづくりによって、より高い利益目標の

達成を目指します。

Concentration

on CDMA

ーション事業を推進することを大きな狙いとしています。す でにさまざまな可能性を持った案件が出てきており、中でも auのGPSケータイと連動させた「GPSソリューション」につ いては、これから大きく伸びる分野であり、またKDDIが圧倒 的に優位な分野でもあるため、大いに期待しています。

Q.

それでは、3月に発表された「中期経営計画2002」の ポイントについて、ご説明をお願いします。

A.「中期経営計画2002」は、事業構造改革と各事業戦略 で構成されています。事業構造改革の第1は、PDC設備の 除却です。収益のうちで大きな割合を占めるauでは、一番 の問題であった採算の取れない旧システムPDC方式の携帯 電話について、2003年3月までに廃止することとし、2002年3 月期に特別損失として除却費を計上しました。これにより、 PDC設備の償却費や通信設備使用料などのコストが大幅な 減少となり、来年度以降は収益面で大きな効果が現れてき ます。(図1)

また、cdmaOne方式の通信設備は、基地局のパネルとソ フトウエアの変更だけで第3世代携帯電話CDMA2000 1xに 簡単に移行することができ、将来への展望も開けるわけです。

第2に、合併効果の早期実現です。合併前の各社がそれ ぞれで運用していた、情報システム、カスタマーセンターなど を統合します。特にauでは、IDOだけでなく、DDIの子会社の セルラー8社において、すべて別々の情報システムが稼働し ており、合計で9システムが動いている状態でした。現在、こ れを1つに統合しています。固定電話系のシステムも、DDIと KDDとTWJの3システムを一本化する作業を進めています。 これらのシステム統合だけで、年間190億円の経費削減が見 込めます。

pg.02 KDDI CORPORATION Annual Report 2002

小野寺 正 代表取締役社長 インタビュー

Q.

社長に就任されて最初の事業年度が終了しましたが、 この1年を振り返って、合併効果の実現など進展状 況はいかがでしょうか?

A.2000年10月のDDI、KDD、IDO3社合併以来、KDDIで は経営改革を早期に進めてまいりました。合併は非常にス ムーズに進み、2001年6月に私が社長に就任してからも、 一層強い意識で改革に取り組んでいます。

Q.

通信業界全般は非常に早い速度で変化しています が、どのようにお考えですか?

A.私は、通信業界はまだまだ伸びる業界だと思っています。 確かに、携帯電話の普及率や固定電話収入などをみると、 これらの市場の伸びが鈍化しているという見方は否定でき ません。しかし、モバイルデータやブロードバンドは急速に 伸びており、産業構造、事業構造そのものが大きく変化して います。例えば、これまで通信インフラを持っていることは 事業者にとって強みでありましたが、これからは必ずしもそう ではない可能性があります。現在は、従来の電気通信事業 の枠にとらわれることなく、いかに独自性の高い、付加価値 の高いサービスを展開できるかを競い合う、新たなステージ に進んでいるのだと考えています。

Q.

その新たなステージにおいてKDDIが持つ強みとは 何でしょうか。

A.2001年10月に子会社であった株式会社auを合併し、固 定通信とモバイル通信の両分野を1社で併せ持つ企業とな ったことです。2002年3月にソリューション事業本部を設けま したが、これは、携帯電話と固定電話を有機的に融合させ るという、他社には真似のできない強い武器をもってソリュ 統合による新たな価値の創造、強固な財務基盤の確立を。

(2)

KDDI CORPORATION Annual Report 2002 pg.03 第3は、財務基盤の強化です。合併直後には2兆2,409億円

の有利子負債を抱えていましたが、積極的に有利子負債の削 減に取り組むことで本年度末までに1兆7,468億円まで減らすこ とができました。さらに努力を重ね、2005年3月期には1兆円レ ベルまで削減することを目標にしています。また、昨年は負債削 減のために不動産の証券化を行いましたが、今後は本業でしっ かりとフリー・キャッシュ・フローを生み出す戦略に変えてい きます。例えば設備投資についても、選択と集中を実行し、十 分に収益を生み出せる、必要最小限の投資に厳選します。

Q.

次に将来戦略についておうかがいします。先ほどか ら出ていますが、まずau事業について具体的な事業 戦略をお聞かせください。

A.auは、PDCがなくなり、cdmaOne、CDMA2000 1xへと特 化することで、収益性は改善します。その中での戦略につい ては、個人ユースと法人ユースとで分けて考えています。

まず、個人ユースに対する取り組みについて説明します。 携帯電話は2002 年3月末で6,910万加入(普及率54%)です が、2005年3月末には8,230万加入(普及率65%)まで伸びる とみています。年間平均で約440万程度の伸びですから、今 までほどの伸びは期待できないと思います。これからは、新た なデータ系のサービスを提供し、お客さまに喜んで使ってもら うことでトラヒックが増えていく、という方向を目指します。セン ターから自分が欲しい情報をダウンロードできる

ez

webサー ビスも人気が高いですが、最近では、自分で情報を発信する ことへのニーズが高まっており、こうした傾向を第3世代の サービスの中で重視し、さまざまなサービスを展開していき ます。すでにGPSケータイとして、メールサービスにいろいろ な地図情報や画像情報を添付して発信できる仕組みを導入

しており、効果を現し始めています。

一方の、法人ユースへの取り組みについて説明します。 音声電話としてのニーズだけを考えると、既に普及率の高 い個人用の携帯電話とは別に、会社用の携帯電話を持っ ていただくということは、あまり現実的でないと思います。 しかし、GPSとメールを組み合わせることにより、例えば 配送用トラックが今どこにいて何を積んでいるのか、au端 末だけで常時配送センターから確認できるようなアプリケ ーションを導入することで、新たな携帯電話ユースが生ま れると考えています。2002年10月より、「GPS MAP」という サービスを法人向けに開始しますが、これはPC側からイン ターネット経由で要求を送信することで、登録されたGPS ケータイの位置情報や作業状態などをリアルタイムで把握 できるという、画期的なサービスです。(図2)

現在、法人名義で登録されているお客さまの数は9%ですが、 2005年3月期には20%にまでもっていきたいと考えています。

Q.

なるほど。では次にネットワーク&ソリューション事業に ついてはいかがですか。

A.今までKDDIの収入は主に「トラヒック」に依存してきまし た。しかし競争の激化により、通信料金、回線料金が低下 し「トラヒック」のみに依存した経営には限界があります。そ こで、KDDIは「トラヒック」の周辺で新たなサービスを打ち 出していくため、ソリューション事業に力を入れていくこととし ました。企業ユーザー向けのソリューションに特に積極的に 取り組んでいきます。さきほど話に出ましたGPSソリューショ ンなどで、携帯電話と固定のインターネットサービスをリンク させること、すなわちFMC(Fixed & Mobile Convergence) と呼んでいますが、例えばイントラネット(PC)と携帯電話と CDMA特化の効果

3月期 2002 2003 2004 2005 2006

サービス

PDC一括除却 設備

減価償却費(累計) ▲ 1,283億円 通信設備使用料等(平年ベース) ▲ 220億円

償却費の削減だけでなく、PDC用に借りている専用線コスト及び メンテナンスコストなどが削減可能となる

コスト削減項目

»

解約防止効果

»

純増効果

»

ARPUの底上げ

CDMAに特化

CDMAへ巻取り

(3)

お客様、オフィスなど

現在位置の表示

管理者PC

To: 山田

○○道路上に 障害物あり。 すぐに向かって 下さい。

・位置検索リクエスト

・業務連絡  など

地図画像 データベース

インターネット auパケット網

・位置情報(地図)

・業務連絡

・作業状況  など

・位置検索コマンド

・業務連絡  など

基地局

営業マン 保守員

GPS衛星群

GPS 携帯

GPS 携帯

GPS 携帯

・緯度・経度

・業務連絡

・作業状況 など

配達員 KDDI

ASPセンター GPS MAP システム構成図

pg.04 KDDI CORPORATION Annual Report 2002

の間で、双方向の情報交換を行う、といった利用形態を考 えています。すなわち、今までのイントラネットでは事業所同 士を結ぶだけでしたが、事業所と社員個人個人を結ぶとい う新しいサービスを提供し、このシステムがお客さまの経 営の効率化や経費節減に結びつく、といったソリューション をご提案すれば、広く採用していただけるだろうと思って います。

それから、今後の大きな可能性のひとつにITSの分野があ ります。これについては、当社の第2位の株主であるトヨタ自 動車との協業を強力に進めていきます。自動車のインテリジ ェント化に関しては、自動車への情報提供に加えて、自動車 からの情報発信、例えば何か故障の前触れがみつかった場 合、自動的にサービスセンターへ情報を送信して事前に対応 するなど、通信に対する需要は革新的に広がっていくと思っ ています。それ以外にも、衛星を利用したモバイル放送や地 上波デジタル放送が開始されると、自動車でも双方向放送が 楽しめるようになってきます。そのような需要に応えるために、 全国的に普及しインフラも整った携帯電話システムを最大限 利用していただくことで、コスト面でも非常に大きなメリットが 出てくると思います。また、携帯電話では情報量が小さすぎる といった場合のPDAやラップトップPCとの組み合わせも今 後、大きく発展できる分野として期待しています。

Q.

では、ツーカーとポケットについての将来戦略はいか がでしょうか?

A.すでに両分野とも、昨年度からの改革が確実に成果を見 せ、フリー・キャッシュ・フローを生み出せる体質になって

います。ツーカー事業については、第3世代携帯電話の必 要ないお客さまへ、低速でも充分なサービスを安い料金で 提供するという戦略をとっていきます。ポケット事業では、今 までのモバイル通信では得られなかった、常時接続のサービ ス「AirH"」が非常に好評を得ており、今後もさらにデータ通 信に特化していきます。これらの結果、さまざまなお客さま のニーズにKDDIグループがすべて応えられる、という状況 を作り出していきます。

Q.

わ かりました 。では 、主 力 の a u 事 業 に お いて、 CDMA2000 1xが非常に好調なスタートを見せてい ますが、今後は他社からのキャッチアップが考えられ ると思いますがいかがですか。

A.現在、3G分野つまりCDMA2000 1xが他社に対して優位 性を確保しているのは、大きく3点だろうと思います。

1点目は、サービスエリア・カバレッジです。CDMA2000 1xのエリア外では従来のcdmaOneで通信ができるので、日 本全国でサービスが受けられます。他社の3Gでは、3Gのエ リアでしか使えませんので、ここは大きな差になっています。 2点目が、端末のコストです。CDMA2000 1xの端末機のコ ストは、従来型のcdmaOneの延長線上にあり、そのコストと ほとんど変わりません。それに対して他社の3Gの場合、まっ たくの新規開発となることから、現在のPDCの2倍から3倍 になっているとみています。それがそのままお客さまへのご 提供価格に反映されます。3点目は、機能上の問題で、今の 時点では連続通話時間、待受時間に大きな差があります。

しかしこの3点とも、お金をかけて技術開発や設備を整え

(4)

KDDI CORPORATION Annual Report 2002 pg.05 れば、将来的にはCDMA2000 1xと同じ程度まで到達する

可能性は十二分にあります。そこでKDDIでは、優位性があ る間に次のステップを考えています。それは、より通信速度 の高速化を図ることです。CDMA2000 1xの速度は144kbps ですが、現在開発中のシステムでは、最大で2.4Mbps、平均 でも約600kbpsで使用できます。これがCDMA2000 1x EV- DOと呼んでいるシステムであり、来年の秋にスタートさせる ことで、通信速度の面でも優位性つまり競争力を確保しよ うと考えています。CDMA2000 1x EV-DOの最大の特徴は、 データだけに特化したIP系の通信システムであることで、イ ンターネットに最も適しています。すなわち通信速度が上が るだけでなく、コストも下げられ、スピードと料金の両面で優 位に立てるのです。

Q.

そうなるとまたアプリケーション開発にもさまざまな 可能性が出てくると思いますが。

A.そうです。そこの部分はソリューション事業本部がKDDI 研究所と協力しながらCDMA2000 1x EV-DOを目指したア プリケーション開発をすでに進めています。さらに高度なサ ービスを提供できることと期待しています。

ソリューション事業で今1つの課題としては、端末の専用 性です。端末にはハードウエアとソフトウエアが同時に組み 込まれていますので、例えば、ある法人ユーザー向けに専用 のソフトウエアの端末を供給しようとする場合、コスト面を 考えると、現状では不可能に近くなってしまいます。そこで KDDIでは、「BREW」という新しいミドルウエアを携帯電話に おいて提供することを検討しています。これは、携帯電話上 で動作する共通のプラットフォームとなるものであり、BREW 用に開発されたソフトウエアをダウンロードすることで、携帯 電話が専用のアプリケーション搭載の端末になります。パ ソコンの場合でいうと、Windows用のソフトウエアをパソコ ンにインストールするのに近い感覚です。少なくともアプリ ケーションソフトウエアとミドルウエア以下のハードウエアの 部分とを切り離してサービス提供できるようにすれは、法人 ユーザーにとっては、非常に有用なサービスになるだろうと 考えています。

Q.

今後の可能性が大変楽しみなようですね。では、 中期経営計画において公表されている2005年3月 期の数値目標についてご説明をお願いします。 A.連結の営業収益でいいますと、2002年3月期は2兆 8,338億円ですが、これを2005年3月期には3兆2,000億円 にという目標を立てています。3年間で約13%の成長とい うことになりますが、是非実現していきたいと考えています。

営業利益にいては、2002年3月期で1,023億円であり利益 率は高いとはいえませんが、2005年3月期には2,900億円ま で成長させていきたいと考えています。つまり営業利益率と しては9.1%とする計画であり、将来的には最低でも10%の 確保を視野に入れて一歩一歩進めていきます。また、EBIT- DAについては7,400億円、営業収益に対するマージンで 23.1%を目指しています。

これらは、構造改革によって現行事業の収益性を改善し、 そこに新しい分野の収益を積み上げていくという形で実現 していこうと考えています。構造改革と新しい事業への展開 の2つをどう並行して進めていくかが、今後の成長の鍵であ ると思います。

Q.

最後に株主の皆さま、投資家の皆さまに対してのメッ セージをお願いします。

A.まず、投資家の皆さまにはKDDIの事業に多大なるご 支援をいただき、厚く御礼申し上げます。過去において 大きな目標を掲げましたが、必ずしも満足していただける 結果を残せたとは言えないことを強く反省しておりま す。この度の中期経営計画でも、ある程度大きな目標を 掲げさせていただいていますが、単年度ベースでは、特 に利益面の数字については必ず守るという意識を社内を あげて徹底しています。少なくとも利益面では常に毎年 度、皆さまにお約束した数字を必ず達成するという体質 づくりを進めています。昨年の下期以降、こうした企業風 土が着実に定着してきていると思います。ぜひ、KDDIの 将来にご期待いただき、今後ともご支援をよろしくお願 い申し上げます。

代表取締役社長

小野寺 正

参照

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